今月の病気(平成18年)

学校給食で発症した食物アレルギー

全国の小中学生約1500万人を対象に、学校給食で発症した食物アレルギーの調査結果が発表されました。発症頻度は2.3万人に一人で、湿疹・じんましん などの皮膚症状が70%と多く、咳などの呼吸器症状(30%)や下痢などの消火器症状(10%)もみられました。ショックは7%にみられましたが、死亡例はありませんでした。

原因となった食べ物

@くだものが約20%と最も多く、その3/4はキウイが原因でした。
A次に多かったのは、甲殻類の19%で、その9割がエビによるものでした。
Bナッツ類は12%でしたが、その5割がピーナッツで、他にはクルミとかカシューナッツが原因になっていました。
C魚は11%でしたが、その内サバが原因となっていたのは3割で、様々な魚が原因になっていました。
D軟体類は3%で、ほとんどはイカが原因になっていました。



 就学前にアレルギーが判明していたものは約40%にすぎず、約60%は就学後に給食を食べて初めて症状が出て診断されました。
 先日、給食後に じんましん がでたという小学生のアレルギー検査を行ないましたが、キウイが陽性で、キウイアレルギーと診断されました。アレルギー抗体検査をすれば、原因が見つかることが多いので、給食を食べた後にアレルギー症状が出た場合は、給食のメニューを持参して当院を受診してください。

A型肝炎ワクチン

 A型肝炎は、東南アジア、アフリカ、南米などで一般に存在する感染症です。A型肝炎ウイルス汚染された生水、氷、生の魚介類(生牡蠣など)、生野菜を介して感染し、約1ヶ月の潜伏期間の後に、38度以上の発熱、全身倦怠感や黄疸がみられ、重症化すると 1ヶ月以上も入院が必要になることがあります。慢性化したり死に至ることは極めてまれです。特別な治療法はなく、安静と食事療法で回復を待ちます。厄介な病気ですが、安全で効果の高いワクチンで予防が可能なので、途上国などへの渡航される方は、接種をお勧めします。

予防方法

 A型肝炎ウイルスは38度1分間の加熱で死滅するので、十分加熱調理してあるものを食べましょう。途上国では瓶入りミネラルウォーターや、一度沸騰させたものを飲みましょう。また、カットフルーツなども洗った水が汚染されていることがあるので、自分で皮をむいて食べる方が安全です。
*食事前には十分手を洗い、糞便からの経口感染を予防しましょう。


A型肝炎ワクチン

 A型肝炎ワクチンを2〜4週間間隔で、2回接種します。さらに約半年後に1回追加接種すると5年間効果が得られます。渡航するまでに時間のない人は2回の接種で十分です。

*当院での接種料金は7000円です。ワクチン注文に時間がかかるため1週間前までに ご予約ください。

 現在 日本でA型肝炎予防接種の可能な最低年齢は16歳以上です。諸外国では若年から接種しています。今までに肝炎に罹ったことのある人はワクチン接種前に血液による抗体検査で免疫の有無を調べることをお勧めします。免疫がすでにあれば、接種不要です。


うちわ歩行・O脚・X脚

1歳半と3歳健診では、よく歩きかた他のことで相談を受けます。

うちわ歩行 つま先が打ちにむく歩き方で、つま先が重なり転びやすくなります。特に走ったり階段を降りたりする時に目立ちます。2歳ごろが最も目立ちますが、次第につま先を前に向けて歩くようになるので、通常小学校に入る頃には治ります。
*ただし、程度がひどい場合には就学前に手術が必要なこともありますので、気になる方はご相談ください。
O脚・X脚 足首をそろえて立った時、膝の間が開くのが O脚。
膝を合わせて立った時、両膝が内側にくっついて足首の間が開くのが X脚。
赤ちゃんの脚の形は、2歳ごろまではO脚、3歳ぐらいからはX脚、6歳ごろになると まっすぐになります。
したがって、O脚、X脚のほとんどの場合、小学校に入る頃には治ります。
まれに、関節や軟骨の病気が原因で起こることがあります。また、O脚やX脚がひどい場合に膝の関節が変形することがあります。
*O脚では両膝の間が5cm以上の時、X脚では足首の間が7cm以上の時、片足だけ曲がっている時、整形外科を受診してください。

赤ちゃんのゼイゼイ

*生後すぐの赤ちゃんが お乳を飲んだ後、泣いた後、時には睡眠中にゼイゼイいうことがあります。このような赤ちゃんのゼイゼイは かなり多いものです。
*これは赤ちゃんの のどの奥にある喉頭蓋(こうとうがい)という『食べ物が気管にはいらないようにするためのふた』が軟らかいため、息を吸うたびに震えてゼイゼイいうのです。このふたは成長とともに硬くなっていくので1歳ころまでに自然になおってきます。また、ミルクの飲みすぎで、ミルクが あふれてくるために ゼイゼイいうこともあります。(太った赤ちゃんに多い)
*このように多くは心配ないのですが、次のような症状がひとつでも在る場合は詳しく検査をする必要があります。
@いつもゼイゼイいっている。A努力呼吸している。(胸やお腹が息をするため引っ込む)B息苦しくてお乳が飲めないC体重が増えない。D顔色が悪い。
*このような症状があると、のどの奥にできものがあったり、心臓が悪かったりなどの病気の可能性があります。必ず受診してください。



狂犬病とワクチン

先日、中国では年間2500人もの人が『狂犬病』で死亡しているという新聞記事が載っていました。日本では1954年(昭和29年)以降、人の狂犬病発症はありません。イヌの発症も1956年(昭和31年)が最後で、その後は発症ゼロです。しかし、現在、狂犬病がない国は日本など一部の島国だけです(日本、イギリイス、オーストラリア)。大陸での狂犬病の発生は継続しており、今でも世界中で毎年 数万人の命が失われています。

狂犬病とは?  狂犬病とは犬だけでなく、人を含むすべての哺乳動物がかかる病気です。猫、キツネ、アライグマ、リス、スカンク、コウモリなども感染源として要注意です。アジアでは都市部の野良犬の間で、ヨーロッパやアメリカでは野生動物の間で流行がみられます。
 原因となる狂犬病ウイルスを持っている動物に噛まれたり、なめられたりすると、傷口からウイルスが入って感染します。潜伏期は通常1〜3ヶ月で、頭痛・吐き気・発熱・痙攣・よだれをたらす・暴れる・などといった症状がみられ、1週間から10日で死に至ります。発症すると100%死亡する 恐ろしい病気です。
予防方法 外国では野生動物に近づいたり触ったりしてはいけません。
*外国で動物と接触する機会がある場合は、外国に行く前に 狂犬病ワクチンを接種しておく必要があります。
   日本方式(初回接種日を0日として、0日、28日、6ヶ月〜1年後の計3回接種する)
   WHO方式(初回接種日を0日として、0日、7日、28日の計3回接種する)
*動物を扱ったり野外調査に従事する予定の人はWHO方式の方がよいです。
当院では狂犬病ワクチンを行なっています。(1回7000円)
外国で犬に噛まれたら? @水と石鹸で傷口を十分洗う。Aアルコールなどで消毒する。B狂犬病ワクチンをできるだけ早く接種する。0日に抗狂犬病免疫グロブリンを注射する。
日本で犬にかまれたら? 日本では狂犬病ウイルスを持っている犬はいないので、狂犬病ワクチン注射をする必要はありません。外科を受診して傷の処置をしてもらいましょう。
飼犬に対する予防注射 日本の飼犬のうち予防接種率は50%以下です。狂犬病を流行らせないためには 少なくとも予防接種率を70%以上にしておく必要があります。
外国から多くの動物が日本に輸入されていることから国内で狂犬病が発症する可能性はあると考えられます。犬に狂犬病予防接種を受けさせましょう。

麻しんと風しんワクチンの
行政措置について

平成18年4月1日から、麻しんと風しんの予防接種が変わり、麻しん風しん二主混合(MR)ワクチンを1歳の時と年長時(就学前1年間)の時に2回接種するようになりました。今までは麻しんと風しんワクチンをおのおの一回接種ではありましたが1歳から7歳6ヶ月までの間にワクチンを受けることができました。今回、ワクチンを受けられる期間が短くなったことにより、体調不良や受け忘れなどによる未接種が問題になりました。

そこで、愛媛県内の多くの市・町では行政措置を行い、平成19年3月31日までの期間限定で、2歳から7歳半の 麻しん、風しんワクチン未接種の子どもたちを対象に、MRワクチンまたは 麻しん、風しんワクチン接種が無料で受けられるようになりました。

松山市の行政措置

期間:平成18年8月1日から平成19年3月31日まで
対象:平成10年9月2日から平成12年4月1日生まれの人
    平成13年4月2日以降生まれで2歳以上の人
    で、麻しん、風しんワクチンのどちらか または両方接種してない人
    (平成12年4月2日から平成13年4月1日生まれの人は通常のMRワクチンの接種対象になります。)

接種方法:麻しんと風しんを両方とも予防接種してない人は、MRワクチンを
       風しんの予防接種してない人は、風しんワクチンを
       麻しんの予防接種してない人は、麻しんワクチンを接種します。

*平成18年4月1日から7月31日までに自費でワクチンを受けた人も申請をすれば補助を受けることができるようになりました。
*他の市・町でも同様の行政措置を行なっていますので、保健所または当院にお問い合わせください。

学校伝染病

『学校保健法』により定められた『学校において予防すべき伝染病』が学校伝染病です。学校での流行を防ぐために、学校長は病気になった生徒を出席停止にしたり、臨時休業(休校や学級閉鎖)にすることがあります。

学校伝染病は3つに分類されます。

第一種はまれだけど、重大な感染症で、きちんと治るまで出席停止になります。
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱、急性灰白髄炎(ポリオ)、コレラ、細菌性赤痢、ジフテリア、腸チフス、パラチフス

第二種は飛沫感染(空気でうつる)ためほおっておくと学校で流行が広がってしまう感染症です。各病気で出席停止の基準が違います。

インフルエンザ 解熱した後2日を経過するまで出席停止
百日咳 特有の咳が消失するまで出席停止
麻疹(はしか) 解熱した後3日を経過するまで出席停止
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) 耳下腺の腫れが消失するまで出席停止
風疹(三日ばしか) 発疹が消失するまで出席停止
水痘(みずぼうそう) すべての発疹が痂皮化する(かさぶたになる)まで出席停止
咽頭結膜炎(プール熱) 主症状が消退した後2日を経過するまで出席停止
結核 伝染のおそれがなくなるまで出席停止


第三種は飛沫感染が主体ではないが、ほおっておくと学校で流行が広がる可能性のある感染症です。

腸管出血性大腸菌感染症 症状がある場合は、医師により伝染のおそれがないと認められるまで出席停止
無症状の場合は、保菌者でも出席停止の必要なし
流行性角結膜炎(はやり目) 医師により伝染のおそれがないと認められるまで出席停止
急性出血性結膜炎


この他に、学校で流行が起こった場合に、必要があれば第三種の伝染病とすることができる感染症

溶連菌感染症 抗生剤開始後24時間を経て全身状態がよければ登校可能
ウイルス性肝炎 A型肝炎は肝機能が正常化すれば登校可能
B、C型肝炎ではウイルス保有者でも無症状なら登校可能
伝染性紅斑 発疹期には感染力はほとんどなく、登校可能
手足口病 発熱期や口内炎のため飲食できない期間は出席停止
ヘルパンギーナ
マイコプラズマ感染症 症状が改善し、全身状態の良い者は登校可能
流行性嘔吐下痢症 下痢、嘔吐症状の回復後、全身状態が良い者は登校可能


おしゃぶり

最近、おしゃぶりをくわえている乳幼児をよくみかけます。先日『おしゃぶり訴訟』なるものが報道されました。おしゃぶりの使いすぎで、顎が変形し歯並びが悪くなったため、注意書きのなかった販売会社を訴えたものでしたが、生後2ヶ月ごろから1歳まで1日約15時間、その後も3歳10ヶ月で歯科医にやめるように言われるまで、就寝中におしゃぶりを使っていたそうです。
頻度 おしゃぶりを使っている子は、1歳半で約8%、2歳で約6%ですが、3歳以降は激減し、3歳になっても おしゃぶりを使っている子は約1%のようです。
利点 子どもが泣き止んで静かになる、入眠がスムーズになる。結果、母子ともにストレスが減る。
宣伝に使用されている『鼻呼吸や舌や顎の発達を促進する』といったことは、学問的に証明されていません。
欠点 @習慣性となりやすく、長期間使用すると噛み合わせが悪くなります。(上下の前歯の間に隙間ができることが多いようです。)*ただし、噛み合わせの異常の多くは2歳頃までに使用を中止すれば、発育とともに改善されます。
A子どもが何故泣いているのかを考えないで使用するので、こどもをあやしたり、言葉掛けたりする機会が減るのではないかと言う意見があります。
B口が長時間ふさがっているので発語の機会が減り、言葉の発達に障害が生じるのではないかという意見もあります。
注意 指しゃぶりは子どもが自然に始めるものですが、おしゃぶりは まわりの大人が与えるものです。
『おしゃぶりは できるだけ使わないほうが良い』が、もし使用するなら、噛み合わせの異常を防ぐため
  @1歳を過ぎたら、おしゃぶりフォルダをはずし、常時使用しないようにする。
  A遅くとも2歳半までに使用を中止するようにする。
ことが重要です。



指しゃぶり

赤ちゃんは生後2ヶ月ごろから指を吸うようになります。指しゃぶりはどんな赤ちゃんにもみられる普通の行為ですが、3歳を過ぎても指しゃぶりが続く場合は悪影響が出ることがあります。
頻度 1歳児の約30%、2歳児の約20%に指しゃぶりがみられますが、3歳になって友達と遊ぶようになると指しゃぶりは自然に減ってきます。5歳になると ほとんどの子どもが指しゃぶりをしなくなります。
弊害 @上の前歯が前方に出てきます。前歯が前方に出てくると、唇を閉じにくくなり、いつも口を開ける癖がつき、口呼吸になります。
A上下の前歯の間に隙間ができます。(隙間に舌を押し込んだり飲み込む時に舌で歯を押し出すような癖が出やすくなります。このような癖がつくと話す時にも前歯の隙間に舌がはいるので「サ行、タ行、ナ行、ラ行」が舌足らずな発音になります。
B上下の奥歯が横にずれて噛み合わせがわるくなります。
対応 2歳までは あまり神経質にならず見守ります。3歳になっても頻繁に指しゃぶりをする場合は一度受診してください。子どもさんに対して下記のような対応をしてください。
@生活のリズムを整える。A外遊びや運動をさせてエネルギーを十分発散させる。B手や口を使う機会を増やす。(積木やおもちゃ、人形遊び、おしゃべりさせる。)C寝付くまでの間子どもの手を握ったり絵本を読んであげたりして子どもを安心させる。

鉛中毒

新聞などでも報道されましたが、100円〜1000円程度で売られている低価格の金属製アクセサリー(ネックレス、ヘアピン、指輪、携帯ストラップ)の約2/3に鉛が使用され、中には高濃度の鉛が含まれているものがあることが明らかになりました。鉛は毒性が強いので、鉛を含有した製品を小児がなめたり、飲み込んだりした場合、脳障害を起こしたり、死亡したりする危険性があります。(あのベートーベンも鉛中毒だったそうです。)
症状 鉛は脳、神経、血液、消化管、腎臓など体のさまざまな部分に悪影響を与えます。
 @性格の変化、頭痛、感覚の喪失、脱力、けいれん、意識障害などの神経症状がみられます。
 A赤血球が壊れて貧血がおこります。
 B激しい腹痛、下痢、嘔吐などの消化管症状がみられます。
軽度の鉛中毒では無症状です。
検査 血液中の鉛の濃度を測定します。保険がきかないので、実費2000円いただくことになります。
治療 体内に蓄積された鉛を除去する薬(キレート剤)を使いますが 気分不良、嘔吐、頭痛、けいれん などの副作用を起こすことがあります。また、治療を行なっても症状が治らず、後遺症が残ることがあります。
予防が重要 金属製アクセサリーは見かけでは鉛の有無を判断できません。そのため『金属製アクセサリー類全般』を乳幼児がなめる、口に入れる飲み込むなどをしないように注意してください。


低身長

「うちの子、まわりと比べて背が低い・・・」と心配される保護者の方がおられますが、実際に調べてみると それほど低くはないことが多いです。本当に心配するほど低いのかどうかをみるためには、身長を客観的に評価することが必要です。表1をめやすにしてください。
原因は? 低身長の原因は病的なものと病的でないものとに分けられますが、ほとんどは病的でない低身長です。病的でないものは、家族が背が低いための低身長、生まれた時の体重が低いための低身長、思春期が遅いための低身長があります。病的なものとして成長ホルモン、甲状腺ホルモン分泌低下や染色体異常や骨・軟骨の病気があります。
どんな検査をしますか? @今までの身長の記録から成長曲線を作成します。
A手のレントゲン写真をとり、骨の成熟度をみます。
B血液検査を行い、肝腎機能、電解質、甲状腺ホルモンや成長ホルモンなどを調べます。
*他の病院では入院して検査することが多いですが、当院では外来で検査を受けることが可能です。
どんな治療をするの? 甲状腺ホルモンの分泌が悪い場合は、甲状腺ホルモンの飲み薬を毎朝1回服用します。
成長ホルモンの分泌が悪い場合は、成長ホルモンを自宅で寝る前に注射します。注射は本人か保護者が週5〜7回行ないます。
*尚、治療にかかる費用は高額な場合でも、大半は行政が補助してくれます。
何歳ぐらいで受診すればいいの? 身長は思春期を過ぎるととまってしまいますので、思春期が来る前(通常男子は12歳、女子は10歳まで)に受診してください。検査や治療を受けることを考えると5歳(小学校入学前)頃に受診されるのがベストです。

(表1)低身長のめやす                (p)

男子 女子 男子 女子
3歳0ヶ月 86.5 85.5 10歳0ヶ月 126.4 123・9
3歳6ヶ月 89.5 88.8 10歳6ヶ月 126.9 126.7
4歳0ヶ月 92.5 91.9 11歳0ヶ月 129.0 130.3
4歳6ヶ月 95.3 94.8 11歳6ヶ月 131.1 133.7
5歳0ヶ月 98.1 97.7 12歳0ヶ月 133.9 137.0
5歳6ヶ月 100.9 100.6 12歳6ヶ月 136.7 140.3
6歳0ヶ月 103.8 103.4 13歳0ヶ月 140.7 142.2
6歳6ヶ月 106.7 106.0 13歳6ヶ月 144.6 144.3
7歳0ヶ月 109.4 108.8 14歳0ヶ月 148.6 145.2
7歳6ヶ月 112.3 111.5 14歳6ヶ月 152.5 146.2
8歳0ヶ月 114.7 113.8 15歳0ヶ月 154.7 146.5
8歳6ヶ月 117.1 116.3 16歳6ヶ月 156.8 146.9
9歳0ヶ月 119.7 118.7 17歳0ヶ月 157.8 147.1
9歳6ヶ月 122.2 121.1 17歳6ヶ月 158.5 147.3

過敏性腸症候群

 お腹が痛くなったり、下痢や便秘になったりすることを繰り返すのに、胃や腸に異常がない病気です。原因としてストレスが大きく関与しており、生真面目で几帳面な性格の人にみられる傾向があります。血便がみられる場合、体重減少がみられる場合、夜中に腹痛で目が覚める場合は,まず過敏性腸炎では ありませんので、詳しい検査が必要です。
症状は?  ストレスなどのために腸の運動リズムが乱れ、下痢、便秘、腹痛などが起こります。大人に多い病気ですが、中学生や小学生高学年の児童にも みられます。
 大勢の人前で話す時にお腹が痛くなったり、テストの前に下痢をしたりした経験のある人も多いと思います。一時的ですぐ治ってしまうものは、特に治療の必要はありませんが、日常生活に支障をきたす場合は治療が必要です。たとえば、通学途中や授業中に腹痛がひどくなったり、下痢をもよおしてトイレに駆け込むようなことが頻繁に起こる場合。
治療は?  ストレスを取り除くことが一番の治療です。親御さんは子どもの話にゆったりと耳を傾けてあげてください。
 症状を和らげる薬として、消化管の中の水分吸収を調節して、下痢や便秘を抑えるコロネルという薬が有効です。おならやお腹がぐるぐる鳴るといった症状がひどい場合はガスコンという、おならの生産を減らす薬を使うこともあります。他に漢方薬が有効な場合もあります。

熱性痙攣の予防

 熱性痙攣は乳幼児によくみられます。が、痙攣止めの座薬を使うことで予防することが可能です。今までに熱性痙攣を起こしたことのある子どもさんには、下記の方法で痙攣を予防することができます。
痙攣止め(ダイアップ座薬)の使い方  熱性痙攣は体温が急に上がるとき起こります。体温が37.5度を超え、熱が上がりそうだなと思ったら、ダイアップ座薬を使ってください。5〜10分ほどで けいれんを抑える効果があらわれます。8時間、この効果は持続します。発熱が続くようなら8時間後に2本目を使ってください。さらに16時間痙攣を予防できます。
*ダイアップ座薬を2本使うことで24時間痙攣予防できます。
*熱性痙攣はほとんどの場合、熱が出てから24時間以内に起こるので通常痙攣止めの座薬を使うのは2回までです。
*座薬を入れた後、すぐに肛門から出た場合は同じものを入れなおしてください。形がわからないようでしたら、座薬はかなり吸収されていますので、入れなおす必要はありません。
熱さましの使い方  熱さましには痙攣を止める効果はありません。熱性痙攣を予防するためには 痙攣止めを優先して使います。熱さましの座薬(アンヒバ、カロナール、アルピニー)を使う時はダイアップ座薬を入れてから30分以上間隔をあけてください。
ダイアップ座薬の副作用  一時的に、眠気、めまい、ふらつきが現れることがあります。ふらついて怪我をしてはいけませんので、ダイアップ座薬を使った後はゆっくり休ませてください。
 体重8〜11kgの人はダイアップ座薬4mg、体重12〜19kgの人はダイアップ座薬6mg、体重20kg以上の人はダイアップ座薬10mg使用します。副作用が強く出る場合は、薬を減らして使います。