今月の病気(平成15年)
溶連菌という細菌がのど(扁桃腺)に感染して起こる病気です。
気道分泌物の飛沫などを通して他の子にうつりますので注意が必要です。
家族の中で のどの痛みや熱など症状がある場合は受診して検査してください。
他の人に病気を移さないように、医師の許可が出てから通学通園してください。
症状 | 2〜5日の潜伏期間の後のどの痛み、熱、体や手足の発疹、いちご舌などの症状がでます。 倦怠感を訴えることが多いようです。 |
検査 | のどの分泌物を綿棒でとって検査します。約5分で結果がわかります。費用は1000円程です。 |
お薬 | ペニシリン系の抗生剤を10日間きちんと飲むことが重要です。薬を飲み始めると1〜2日で熱が下がり、のどの痛みも消えますが、途中でやめると再発します。また、服薬が不十分だとリュウマチ熱や腎炎をおこすことがありますので必ず10日間きちんと服用してください。 |
尿検査 | 治って1ヶ月後に、腎炎になっていないかを確認するため、尿検査を行ないます。 さらに血液検査が必要になります。 |
現在、週に一人ぐらいの割合で、誤飲の患者さんが来院されます。
内訳は、やはりタバコが最も多く、薬、防腐剤、洗剤、化粧品などが多く見られます。
*誤飲は0〜2歳児に多くおこりますが、ほとんどの場合、不注意が、原因です。
@子供の手の届くところに灰皿や、医薬品を置かない。
Aお薬の空き缶に薬をいれない。
B食品を入れる器やビンに危険物を入れない。
家の中を今一度チェックしてみてください。
アレルゲン検査 | 秋はヨモギ、ブタクサ、アキノキリンソウなどキク科の植物による花粉症が起こります。 また、室内空気中のカビの量は1年のうち、6月と9〜10月に最も多くなりますのでカビが原因となる場合があります。 *秋に鼻炎症状がひどくなる場合はキク科の植物やアレルゲン検査を受けましょう。 |
キク科の植物が 陽性の場合の対策 |
@布団や洗濯物を取り入れる時は十分払い落とす。 A外出からの帰宅後は髪や服についた花粉を払い落とす。 B家の周りの除草をする。 |
カビが 陽性の場合の対策 |
@室内の換気をよくすること。 A室内に水分発生源を減らして湿度を高めない。 B食物や観葉植物などカビの発生源を減らす。 |
肥満に効果がある漢方薬がいくつかあります。
ぼうふうつうしょうさん 防風通聖散 |
この薬が最も有名です。 お腹が出て便秘、頭痛、のぼせ、口渇、肩こりなどの症状の伴う人に効果があります |
ぼういおうぎとう 防己黄ぎ湯 |
色白で多汗、関節痛、足のむくみを伴う人に効果があります。 |
肥満の漢方薬に興味を持たれている方は、一度ご相談ください。
通常の喘息発作と異なり、運動によって誘発される喘息発作を運動誘発喘息と呼んでいます。
ランニングやなわとびで起こりやすく、体操や水泳では起こりにくいことが知られています。
また、空気が乾燥して冷たいときに起こりやすいので
秋季運動会や、マラソン大会の時には注意が必要です。
*準備運動は、運動誘発性喘息を予防する効果がありますので、
運動する前には十分おこなってください。
運動誘発性喘息は、ふつう運動を始めてから10分以内に起こります。
喘息発作が起こってしまった場合は、ただちに運動を中止し、安静にします。
それだけで、ほとんどの場合、発作は20分から30分で自然におさまります。
水分を取り、腹式呼吸をするとより効果的です。
*発作がひどい時や、30分たっても発作がおさまらない時は病院を受診してください。
*喘息治療が不十分な人に起こりやすいので、
ほこりなどのアレルギーの原因になっているものを避けきちんと薬物療法を行なう必要があります。
また、運動する前にインタールや気管支拡張剤を吸入することで発作の予防もできますので、
ご相談ください。
ツ反・BCGは 4歳になる 前までに 受けてください |
ツベルクリン反応とBCGは4歳まで(他のワクチンは7歳6ヶ月まで)が公費負担となっています。 昨年までは小学校1年生と中学1年生にツ反BCGを行なっていましたが、今年から廃止になりました。 4歳のお誕生日を過ぎますと有料!になりますので ご注意ください。 |
3種混合は 遅くとも泥遊びを始める前に 受けてください |
3種混合は百日咳、ジフテリア、破傷風に対するワクチンですが、0歳児が百日咳にかかると重症になることが多いので、なるべく0歳のうち1期の3回接種を済ませてください。 遅れてしまった場合は泥遊びを始める前に受けてください。 破傷風は全身の筋肉硬直や痙攣発作を起こし死亡率の高い病気です。 破傷風菌は土の中におり、小さな傷から進入します。 |
卵アレルギーに ついて |
卵アレルギーの人で注意なのは、『はしか』、『風疹』、『おたふくかぜ』、『インフルエンザ』の4つです。 これらのワクチンに含まれる卵成分はごく微量ですので、卵を食べることができる人は接種可能です。 |
けいれんについて | 卵が食べられない人では皮内テストを行い、接種できるかどうか、判断しています。 |
原因と感染経路 | SARSはSARSコロナウイルスが原因でおこる病気で、感染した人の咳くしゃみなどの飛沫感染から他の人に伝染していくと考えられています。 |
SARSが疑われる症状とは? | @38度以上の急な発熱。A咳、息切れ呼吸困難などの呼吸器症状がある。 B発症前10日以内にSARSの発生が報告されている(中国、台湾、カナダ)へ旅行したまたは発症前10日以内にSARS患者さんに接触した。 |
SARSに感染した疑いがある場合どうしたらよいか? | 自宅待機のうえまずは 松山保健所 089−911−1815(夜間休日)089−911−1800 松山中央保健所 089−941−1111(夜間休日)090−9700−8492 に、電話でご相談ください。保健所がSARSに対応できる医療機関と連絡を取り、受診手続きをしてくれます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 松山地区のSARS外来可能医療機関は現在(H15年6月)のところ 以下のところです。緊急時やむをえず医療機関を直接受診する場合、必ず事前に電話予約してください。 愛媛大学医学部付属病院 089−964−5111(時間外)089−960−5210 県立中央病院 089−947−1111 松山赤十字病院 089−924−1111 |
治療法は? | 現在のところ抗ウイルス薬やステロイドホルモンが使われていますが、決め手となる治療薬はありません。呼吸不全に陥った場合、人工呼吸器による呼吸管理が行なわれています。 |
マスクの感染予防効果は? | 市販されているマスクの着用は十分とはいえないものの飛沫感染予防に効果があり、実際的な方法と考えられています。また、手洗いうがいも併せて行なうことが重要です。 |
ウォルシュ菌とセレウス菌は土壌など自然界のどこにでも存在する菌で加熱されても『芽胞』という耐熱性の形に姿を変えることにより生き延びる性質をもっています。 これらの菌による食中毒は、作り置きした食べ物を翌日加熱して食べた場合に多く見られます。したがって、調理した食べ物は作り置きせず、できるだけ早く食べましょう。 |
どんな病気? | エンテロトキシンという毒素が原因で起こります。黄色ブドウ球菌は人の化膿したところや鼻の中のど皮膚に生息し、手指などから食品につき、食品の中で増殖し毒素を生産します。この毒素は熱に強く、加熱しても消えません。したがって、食べ物を加熱しても菌は死にますが毒素は残ってしまうため食中毒がおきてしまうのです。 |
症状 | 汚染された食品を食べた後、1〜5時間して吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が出現し、2日くらいで軽快します。 |
お薬 | 通常、吐き気止め、下痢止め、お腹の痛み止めのお薬でよくなりますが、ひどい時には入院治療が必要です。 |
予防方法 | 調理する前は手指をよく洗って消毒し、食品に菌をつけないようにしましょう。 手に化膿した傷や手荒れがある場合は絶対に素手で食品を触らないようにしましょう。 |
どんな病気? | カンピロバクターという細菌が原因となる腸炎で、粘液や血液が混じった下痢便、腹痛、嘔吐、発熱などの症状がみられます。カンピロバクターは、鶏豚牛などの動物の腸管に生息していて、汚染された肉や水から感染します。 |
症状 | 潜伏期間は2日から7日です。 粘液や血液が混じった下痢便、腹痛、嘔吐がみられます。 約半数で熱が出ます。 |
お薬 | 抗生物質(エリスロマイシンやホスミシン)を処方します。 下痢止めや お腹の痛み止めも処方します。 熱があるときは、熱さまし(アンヒバ座薬やカロナール)を使ってもかまいません。 |
お家では | 水分を十分とってください。 食欲のないときは、固形物を無理に食べさせる必要はありません。 油ものはさけてください。 |
こんな時はもう一度診察を | @腹痛が強いときA血便が3日以上続く時B水分が取れないときC薬がなくなっても下痢が続くとき |
予防法 | @肉は十分加熱して食べましょう。(生焼けのバーベキューは危険) 肉を冷蔵庫で保管する場合は生野菜や調理済み食品などといっしょにしないでください。 Aカンピロバクターは冷蔵庫の中でもしっかり生きています。 B肉を調理したときは、手指や包丁、まな板など調理器具をお湯や洗剤でよく洗いましょう。 |
どんな病気? | 風邪の症状から始まり、呼吸困難をきたすため注意しなければならない病気です。 気管の入り口の『喉頭』という部分に細菌やウイルスが感染して炎症を起こして腫れることにより起こります。 喉頭が腫れると空気の通り道が狭くなり、ひどくなると呼吸困難や窒息状態に陥りとても危険です。 |
症状 | @ケンケンというオットセイや犬の吠えるような乾いた咳がでます。 A息を吸うときにゼイゼイ言います。 Bひどくなると息が苦しくなり(呼吸困難)、顔色が紫色(チアノーゼ)になります。 |
治療 | 粘膜の腫れをとるための吸入をします。 内服薬として、ステロイドホルモンや抗生剤を使います。 呼吸困難がみられた場合は酸素吸入や入院治療が必要です。 |
注意 | 吸入などで良くなっても、家に帰ってから(特に夜)また悪くなることがあります。 息苦しいときは家でがまんせず、病院を受診してください。 |
どんな病気? | ロタウイルスが原因でおこる嘔吐下痢症(ウイルス性腸炎)です。 冬の寒い時期に流行し、症状がひどいのが特徴です。 |
症状 | 突然吐き下しが始まり、嘔吐は半日から2日、下痢は1週間続きます。 下痢は白色からクリーム色の水のような便で」1日に何回も出ます。 便が白くなるのは胆汁という消化液が十分に分泌されなくなるためです。 熱が出ることも多く39度位の熱が1〜2日みられます。 |
お薬 | 吐き気止めの座薬。下痢止めの座薬。熱ざましの座薬。 *下痢止めを飲んでも良くなるのに1週間はかかります。 *最もこわいのは脱水です。脱水症状が出た場合は点滴が必要ですので急いで受診してください。 |
脱水症状の 見分け方 |
口が乾いている。ぐったりしている。 意識が朦朧としている。肌にはりがない。顔色が悪い。尿の量がいつもより少ない。 |
吐き気止めの座薬 | 座薬を入れて30分から1時間すると効果がでてきますので、水分をとってください。 水分を数回とっても吐かないようなら、固形食を食べさせてかまいません。 座薬は8時間以上あけて使用してください。 他の種類の座薬と同時に使わないでください。 他の座薬を使うときは30分以上あけてください。 室温保存でかまいません。 |
インフルエンザって何? | インフルエンザウイルスによる感染症で流行性感冒(流感:りゅうかん)ともよばれています。A香港型、Aソ連型、B型の3つの型があります。 |
症状 | 普通の風邪に比べて症状が重いのが特徴です。 急に高熱が出て5日ほど続きます。解熱剤を使ってもなかなか下がりません。 全身がだるく、食欲が落ちます。 咳、鼻水は熱が出て3日頃からひどくなります。 脳炎、心筋炎などの致死的な合併症を引き起こすことがあります。 |
検査 | 鼻水を少し取るだけで、A型かB型か10分ちょっとで判定できます。 費用は、約1000円ほどです。 |
お薬 | タミフル A型に効くシンメトレルとA型とB型両方に効くタミフルという特効薬があります。当院では主にタミフルを使っています。 タミフルは体の中のウイルスを抑える薬で、発熱後なるべく早く服用すると2日以内に熱が下がり症状も軽くなります。大人用のカプセルと小児用のドライシロップがあります。 解熱剤 使いすぎに注意しましょう。特に熱の出始めは解熱剤を使ってもなかなか熱は下がりません。 熱が下がらないときでも、解熱剤は6時間以上あけてください。 抗生物質 気管支炎、肺炎、中耳炎などの合併症を防ぐ目的で使います。 |
お家では | 食欲がなくなりますので、水分と糖分をこまめに与えてください。 ほしがるようなら、消化のよいものを与えてください。 熱が下がっても、2日はお家でゆっくりしてください。 |