今月の病気(平成27年)
頬がリンゴのように赤くなることからリンゴ病と呼ばれています。腕や太ももにも赤い発疹ができます。5歳から9歳頃までの小児に多くみられますが、大人が罹ることもあります。 | |
原因は? |
パルボウイルスB19というウイルスによって起こる感染症です。 |
症状は? |
14〜18日の潜伏期間の後、まず頬に境界鮮明な紅い発疹が現れます。典型的な発疹は蝶の形をして、リンゴの様な紅色をしています。 |
診断は? | 血液検査でパルボウイルスに対する抗体を調べます。 |
治療は? | 自然に治る病気なので、特に治療の必要はありませんが、痒みが強い時は痒み止めを使います。関節痛に対して鎮痛剤を使うことがあります。 |
注射をする前に皮膚をアルコール綿で消毒したり、「ウェルパス」などを使って手指を消毒したりと、皮膚の消毒には通常、消毒用アルコールを使います。この消毒用アルコールはインフルエンザウイルスには有効ですが、ノロウイルスには効果がありません。この理由は何なのでしょう? | |
ウイルスの構造上の違いは? ウイルスは、その構造から外側に「エンベロープ」という脂質性の膜を持つウイルス(インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、B型肝炎ウイルスなど)と持たないウイルス(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)に分かれます。 消毒用アルコールはエンベロープを壊してウイルスをやっつけますが、エンベロープのないウイルスには効きにくいのです。 |
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エンベロ−プのないウイルスにはどうすればいいの? エンベロープのないウイルスに対しては、塩素系消毒薬や有効です。ウイルスがいる嘔吐物や便を消毒する場合は濃度の少し高い液を使います。作り方は500mlのペットボトルにハイターをキャップ2杯(10ml)入れます。ドアの取っ手などを消毒する場合は濃度の少し薄い液を使います。500mlのペットボトルにハイターをキャップ1杯の半分弱(2ml)入れて作ります。 |
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手の消毒はどうして大切なのですか? インフルエンザ、嘔吐下痢症などの感染症の多くは、手指についたウイルスや細菌が口から体内に侵入することで起こります。例えば、ウイルスがついたドアの取っ手を触ると、ドアの取っ手についているウイルスが手に付着します。その手で自分の鼻や口を触ったり、飲食することで、ウイルスが体の中に入って感染が起こるという訳です。 ドアの取っ手、電車のつり皮、パソコンのキーボードなど不特定多数の人が触るものにはウイルスがついている可能があります。また、ウイルスは目に見えないので、どこにウイルスがついているかどうかは判断できません。ですので、手洗いなどで手を消毒することが感染予防に重要です。 |
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ノロウイルスが流行している時、手の消毒はどうしたらいいのですか? 塩素系消毒薬は手荒れを引き起こすため、手の消毒には向きません。ウイルスを殺すことができなくても、石鹸と水道水で水洗いをすることで、ノロウイルスを洗い流すことができます。消毒用としては、PHを酸性化してノロウイルスにも効くように改良された医療用アルコール手指消毒薬があります。当院ではウェルセプトという製品を使って手指の消息を行っています。最近は市販もされていて、ハンドラボ手指消毒スプレーというものがあります。レディ薬局では1本753円で販売されています。 |
Q オボムコイドとは? |
Q カゼインとは? |
扁桃腺は、鼻や口から入ってくるウイルス、細菌に対して、感染を予防する働きをする免疫臓器です。 | |
扁桃肥大は病気ですか? |
扁桃腺は1歳ころから大きくなり、5〜7歳でのどの中に占める割合が最大になります。 |
扁桃炎の原因は? |
扁桃腺はウイルスや細菌により炎症(扁桃炎)を起こします。 |
幼児期に扁桃を摘出して 大丈夫ですか? |
幼児期に扁桃摘出して免疫機能が下がったという報告はありません。 免疫系がほぼ出来あがると考えられている3歳以上の子どもさんでは、扁桃摘出が行われています。 |
生後4カ月〜1歳半に多くみられる、腸の中に腸が入り込んでしまう病気です。そのため、腸の通過障害(腸閉塞)を起こします。また、腸の血行障害を起こし、放置すると腸が壊死してしまいます。 | |
原因は |
はっきりした原因はわかっていませんが、下痢症状の後や、 ロタウイルスワクチン接種の後に発症することあるため、ウイルス感染症が関与していると考えられています。頻度は少ないのですが、腸の奇形、ポリープなどが原因になって起こることがあります。 |
症状は |
主な症状は、腹痛、嘔吐、血便です。 |
診断と治療 |
腹部エコーやレントゲン検査で診断します。 |
ロタウイルス ワクチンと腸重積 |
国内外の調査で、ロタウイルスワクチン接種後1週間以内の腸重積発症リスク増加が認められています。 ロタウイルスワクチン接種後(特に接種後1週間以内)に腸重積の症状がみられた場合は、速やかに小児科を受診してください。 |
デングウイルスが原因でおこる急性ウイルス感染症です。日本国内では1945年頃に近畿から九州で約20万人の大発生がありましたが、その後激減し、国内での流行は60年以上ありませんでした。昨年、東京の代々木公園を中心に150例以上の国内流行が発生し、大騒ぎになりました。今年は国内流行がないため、マスコミの話題になっていませんが、海外渡航で感染した帰国者が50名ほど報告されています。日本国内で、いつ再流行してもおかしくない状況です。 | |
デング熱がみられる 国 | 熱帯や亜熱帯の全域で流行しており、東南アジア、中南米で多く、アフリカ、オーストラリア、中国、台湾でも発生しています。 全世界では年間約1 億人がデング熱を発症し、約25 万人がデング出血熱を発症すると推定されています。 |
原因 |
デングウイルスによって起こります。デングウイルスは血清型(1 型、2 型、3 型、4 型)で4種類に分類されますが、どの型でも同じような症状がみられます。 |
感染経路 | デングウイルスを持っているネッタイシマカ(日本にはいない)または、ヒトスジシマカ(国内に存在)に刺されることで感染します。感染した人を蚊が刺すと、1週間ほどで蚊の中でデングウイルスが増えます。その蚊に人が刺されると感染します。人⇒蚊⇒人という経路で感染します。人から人へ直接感染することはありません。 デング熱は人が住んでいる所で流行します。そのため、田舎ではなく、都市部で流行します。 |
症状 | デングウイルスに感染しても、50〜80%が無症状(不顕性感染)で経過します。 2〜14日(通常3〜7日)の潜伏期間の後、38〜40℃の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感、発疹などがみられます。熱は2〜7日続きます。発症3〜4日後から、体幹から始まる発疹が出現し、四肢、顔面に広がります。発疹は赤く紅潮した皮膚の中に白い斑点が入っているように見えます。これらの症状は1週間程度で回復します。 まれに重症化し、デング出血熱という症状がみられます。熱が下がりかけた時に、突然、点状出血、鼻出血・消化管出血等などの出血症状が現れます。さらに進むと血圧が低下し、ショック症状が現れます。 |
検査 | デング熱が疑われる時は、衛生研究所や愛媛大学に検査を依頼します。 デング熱と診断された場合は保健所に届出義務があります。 |
治療 | デングウイルスに対する特効薬はないので、解熱剤などを使っての対症療法になります。出血症状が出た場合は入院して出血に対する治療を行います。 |
予防 | デング熱流行地で蚊に刺されないようにすることが一番の予防方法です。 日中に蚊に刺されないよう、長袖・長ズボンを着用し、昆虫忌避剤(虫よけ)を使います。 |
A群溶血性連鎖球菌が原因でおこる感染症で、主にのどや扁桃腺に感染します。 冬と春〜初夏に多くみられます。年齢的には、幼児と小学生が多く、2歳以下の子ども、および中学生以降の感染は少ないです。 今年は例年より多く、愛媛県の報告では、例年の2倍以上が報告されています。当院でも開業以来最も多い状況です。 |
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感染経路 | 主な感染経路は飛沫感染です。溶連菌に感染している人の唾液や鼻水からうつります。実際には、子ども同士の接触でうつることが多いので、家庭内や、学校、幼稚園・保育園などの集団生活内での感染が多くみられます。兄弟感染が起こる割合は30%前後と言われています。 大人の感染は少ないのですが、子どもからうつされる(家庭内感染)ことがあります。 細菌感染なので、何度でも感染します。 |
症状 | 潜伏期間は2〜5日です。咽頭痛(のどの痛み)、発熱、倦怠感、吐き気、腹痛などがみられます。熱は高熱のことも微熱のこともあります。 お腹や顔、手足の皮膚が赤い発疹(紅斑)ができることがあります。・・・以前は猩紅熱(しょうこうねつ)と言っていました 舌が赤くなってツブツブしたイチゴのよう(イチゴ舌)になることがあります。 ※通常、のどを強く痛がることが多いのですが、のどの痛みを全く訴えないケースもあります。 ※嘔吐や腹痛が主な症状のことがあり、感染性胃腸炎と見間違いそうになることがあります。 |
診断 | 簡単に検査できる迅速診断キットがあり、のどを綿棒でこすって検査すると約10分で診断が可能です。 |
治療 | 抗生剤を7日〜10日間服用します。 抗生剤を2日ほど飲むと熱も下がって良くなるのですが、ここで抗生剤を飲むのを止めると再発してしまうので、出された抗生剤は必ず全部飲み切ってください。 治って2〜4週間後に、腎炎になっていないかを確認するため、尿検査を行ないます。 |
登園当校 の基準 |
抗生剤をきちんと服用すれば、24時間で溶連菌が減って伝染力がなくなるので、登園・登校が可能になります。 |
口の中に痛みを感じ、見てみると口の粘膜に、白くえぐれた潰瘍ができていることがありますが、これがアフタ性口内炎です。東予では「けんびき」と言っていました。原因は、@疲労、睡眠不足などによる体力の低下によるもの、A栄養不足(特にビタミンB2)によるもの、B細菌やウイルス感染によるもの、C歯の矯正器具の接触、頬の内側を噛んでしまったりしてできるもの、Dベーチェット病など、特殊な病気の一症状としてみられるもの、E成人喫煙者ではニコチン性口内炎などがあります |
口内炎ができた時には、口の痛みを避けるため、熱い・固い・酸っぱい食べ物は与えないようにしましょう。お茶・イオン飲料・乳製品(飲むヨーグルト・カルピスなど)・コーンスープ・プリンがお勧めです。カロリー補給のため糖分も与えてください。水分も飲めない場合は点滴が必要になります。 |
手足口病 | ヘルパンギーナ | ヘルペス性歯肉口内炎 | |
原因 | エンテロウイルス71 コクサッキーウイルスA16、10 コクサッキーウイルスB エコーウイルス |
コクサッキーウイルスA2〜6、8、10、16 コクサッキーウイルスB、 エコーウイルス |
単純ヘルペスウイルス |
季節 | 春から夏 最近、冬に小流行あり |
春から夏 | 一年中 |
潜伏期 | 3〜5日 | 2〜4日 | 2〜7日 |
発熱 | ないか、あっても38度前後で、 高熱はまれ |
突然39度〜40度の高熱が出て、 丸2日(48時間)続く |
高熱(しばしば39度台)が5日ほど続く |
口内炎 | 口の前の方(頬の内側と舌)にできるが、 のどの奥にはあまりできない |
のどの奥にできる | 口の中全体にできる 歯肉にもできる |
他の症状 | 手・足・膝・肛門周囲に発疹(小水疱)ができる | 歯肉が腫れて、ちょっと触れただけで出血する 口唇や口のまわりにも水疱ができる |
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治療 | 特になにせず、自然治癒を待つ 解熱剤などによる対症療法 |
解熱剤などによる対症療法 | ゾビラックスなどのヘルペスを抑える内服薬 |
登園登校の基準 | 熱がなく、元気で飲食ができればOK | 解熱し、口の痛みが取れて食べれるように なればOK |
解熱し、口内炎が良くなればOK |
RSウイルスが原因で起こる呼吸器感染症です。 数年前まで冬(11〜2月)にほぼ限定して流行していましたが、最近は一年中見られます。 1歳以下の乳児に感染すると肺炎や細気管支炎を引き起こして重症化したり、無呼吸を起こして突然死の原因になることがあるので、注意が必要です。また、『喘息発作』の引き金になるとも言われています。 『生まれてすぐの赤ちゃんは風邪をひかない』と信じている人が多いと思いますが、この病気はそうはいきません。妊娠中に お母さんからもらった免疫ではRSウイルスの感染を防ぐことができないのです。そのため、6ヶ月以下の乳児にも容易に感染します。 子どもの半数以上が1歳までに、2歳までにほぼ100%の子どもが罹ります。感染力が強く、しかも『免疫』ができにくいため、何度でも感染します。しかし、罹る回数が増えるほど症状は軽くなり、年長児では軽い風邪程度で済むようになります。 |
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感染経路 |
主な感染経路は飛沫感染です。RSウイルスに感染している人の咳やくしゃみを浴びたり、会話の際に飛び散るしぶきを浴びてうつります。ウイルスがついているドアノブ、おもちゃ、コップなどをなめたりすることでも感染します。空気感染はありません。 |
症状 | 潜伏期間は2〜6日です。鼻水から始まり、その後38〜40度の発熱があらわれ 長いと数日続きます。痰のからむ咳と喘鳴(ゼイゼイ)が出現し、2〜3週間続きます。 重症では陥没呼吸(胸の上やお腹の上が凹みます)・呼吸困難・無呼吸がみられます。早いと発症後数時間で重症化することがあるので要注意です。 ※注意が必要な症状・・・・このような症状があると入院が必要になります 無呼吸・・・・6ヶ月以下の乳児で注意が必要 月齢の低い赤ちゃんは、多量の鼻水が出ると、鼻がつまって息ができなくなります。大きい子どもにとって「鼻水による鼻づまり」は大したことない症状ですが、6ヶ月以下の乳児にとっては重大な症状です。入院して、頻回に鼻水を吸引する必要があります。 喘鳴がひどく陥没呼吸・呼吸困難(ゼイゼイいって息苦しい)・顔色が悪い 元気がなくなり、ミルクをほとんど飲まなくなる・・・・今年、2人の乳児がこれで入院しました。呼吸の症状が軽くても起こります。 ※鼻水が多いと、中耳炎になることがあります。夜寝ない場合や、耳を痛がる様子がみられたら、耳を診る必要があります。 |
診断 | 簡単に検査できる迅速診断キットがあり、鼻水を取って検査すると約10分で診断が可能です。 |
治療 | ウイルス感染のため、基本的には咳止めや痰をきる薬、熱ざましを処方します。 抗生剤はウイルスには無効ですが、細菌感染を合併した場合は使います。 喘鳴(ゼイゼイ)がひどい場合はステロイドホルモン剤(デカドロンというピンクのシロップ)や喘息の時に使うオノン(プランルカスト)やキプレスを使います。 ひどくなると入院治療が必要になります。 |
予防 | 感染している子との接触を避けることが重要ですが、年長児はRSウイルスに罹っても症状が軽いことが多いので、RSに感染しているかどうか見極めるのは困難です。したがって、風邪をひいているお兄ちゃんお姉ちゃんが年下の子(特に6ヶ月以下の赤ちゃん)に向かって咳をしたり、チューをしないように気をつけてください。 RSウイルスがついたものなめることでも感染します。おもちゃなどやおしゃぶりなど子どもが口に入れるものは清潔にしておいてください。手洗いも感染予防のために大切です。 在胎35週以下の早産児、慢性肺疾患や先天性心疾患の病気を持っている乳児は高率に重症化するので、RSウイルスに対する免疫製剤である『シナジス』を筋肉注射して予防することが保険で認められています。しかし、一般の子どもさんには この予防薬を保険で使うことはできません。また、ワクチンもありません。 |
大人も罹るの? | RSウイルスは生涯にわたって感染を繰り返します。大人では通常は軽い風邪程度の症状ですみますが、RSウイルスに罹った子どもを看病した保護者や医療スタッフが罹った場合、一度に大量のウイルスを浴びることで、高熱やひどい咳が出るなど、症状が重くなることがあります。 また、高齢者がRSウイルスに感染すると、重症の気管支炎や肺炎を起こすことがあるので要注意です。 |
カビは気管支喘息や鼻炎などのアレルギーの原因となります。当院ではカビに対するアレルギーの有無を調べる検査を行っていますが、この検査はクラドスポリウム、アルテルナリア、ペニシリウム、アスペルギルス、ヘルミントスポリウム、カンジダのどれか1つ以上に反応すると陽性と判定される検査です。 アレルギーの原因となるカビは、空気中に浮遊しているカビ(空中真菌)と、カンジダなどヒトに寄生するカビ(ヒト寄生真菌)とに大別されます。 空中に浮遊しているカビを吸い込むことで、気道アレルギーが生じ、気管支喘息やアレルギー性鼻炎を発症します。 空中真菌の中で最も多いのがクラドスポリウムで、あらゆる場所に発生します。アルテルナリアは湿気の多い浴室、洗面所や台所、結露した壁などに発生します。ペニシリウム、アスペルギルスは比較的乾燥に強く、居間や寝室、押し入れ、靴箱からも見つかります。 |
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クラドスポリウム (クロカビ) |
風呂場の壁でよくみかける黒いカビがこれです。クーラーの吹き出し口や、お菓子、野菜など色々な食品、また衣類にも生えます。空中に浮遊するカビの中でもっとも多いのがこのカビです。 |
アルテルナリア (ススカビ) |
果物やゆでうどんなどの水分の多い食品に発生します。色は灰色から黒色です。湿気の多い浴室、洗面所、台所によく見られます。空中に浮遊しやすく、アレルゲン性が高い(アレルギーを引き起こす性質を持つ)ため、喘息や鼻炎の原因になりやすい。 カビの多くは胞子が小さいため、鼻腔を通り越して気管支に達するため、主に喘息の原因となります。アルテルナリアは胞子が大きく、鼻腔に留まるため、喘息だけでなく、アレルギー性鼻炎の原因にもなると言われています。 |
ペニシリウム (アオカビ) |
最もよく見られるカビで、餅、パンやみかんなどに生える青緑色のカビです。 |
アスペルギルス (コウジカビ) |
お菓子、紅茶、ナッツ類、穀物などの食品、ほこり、土壌などに広く分布しています。色は菌種により異なります。 |
ヘルミントスポリウム | 草などに寄生し、葉枯病の原因となるカビです。 |
カンジダ | 皮膚、口腔内、腸管内に常在するカビです。誰でもこのカビを持っていますが、口の中で増えすぎると「鵞口瘡(がこうそう)」といって、頬粘膜に白いチーズかすのような塊がつきます。 腸の中で増えすぎると、腸粘膜が壊されて、消化吸収が悪くなり、食物アレルギーを引き起こすと考えられています。 |
カビ対策 (1)湿度の管理:カビは80%以上の湿度のある環境を好むので、湿気をさける工夫が必要です。 (2)換気の徹底:朝起きたら、寝室の窓を開けましょう。クローゼットの開放、スノコ設置、浴室の換気扇、窓開けなどで、空気の循環をさせます。 |
体内の鉄分が不足すると、赤血球の中に含まれているヘモグロビンという赤い色素が減少して貧血になってしまいます。体内の鉄分が不足して起こるのが鉄欠乏性貧血です。 | |
原因は? |
妊娠後期に母親から胎児に鉄分がたっぷりと送られ、生まれてくる赤ちゃんに貯えられます。これを貯蔵鉄といいますが、この貯蔵鉄がたくさんあるため、生後6か月までの乳児が貧血になることはまれです。 |
症状は? | 軽度の貧血では無症状です。ある程度貧血が進むと体色や顔色、口唇色が白っぽくなります。 |
検査は? | 血液検査を行います。赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、MCV(赤血球全体の容積を示す)が低値になります。血清中の鉄、フェリチン値が低下します。 静脈採血で、ヘモグロビン値が11g/dl、ヘマトクリット33%以下を貧血と判定します。 発熱時や健診での血液検査で見つかることが多いです。 |
治療は? |
鉄剤の飲み薬で治療します。乳児にはインクレミンシロップというシロップ薬が便利です。フェロミアという顆粒薬もあります。 |
離乳食は? |
【鉄分を多く含む食品】 |
フォローアップミルクに替えるべきか? |
ミルク栄養で離乳食が進まない場合は、替えることを考えましょう。 |
『朝起きたら、ぐったりして動かない』ということで、あわてて当院を受診されることがあります。そのような場合は、前日の食事状況を思い出してください。もし、遊び疲れや嘔吐などの病気で夕食を食べずに寝てしまったようなら、低血糖が最も疑われます。 | |
原因は? | 車はガソリンで動きますが、人間はブドウ糖をエネルギー源として体を動かしています。このブドウ糖はごはん、パン、めん類、いも類などの糖質(炭水化物)を食べることで、腸管から吸収して取り入れますが、腸から吸収されるブドウ糖は4時間位しか持ちません。腸からのブドウ糖の供給が止まったら、肝臓に蓄えられている糖分(グリコーゲン)を放出したり、筋肉のアミノ酸からブドウ糖を作ったりして血糖を維持します。幼児は、大人に比べて、グリコーゲンの蓄えや筋肉量が少ないため、血糖を維持する能力は劣ります。健康な幼児はしばらく食事をしなくても低血糖になりませんが、長時間遊んで疲れた時や体調が悪い時に夕食を摂らずに寝る(16時間以上腸からのブドウ糖の供給が途絶えることになります)と低血糖を起こします。 ごくまれに、グリコーゲンからブドウ糖を作る酵素の異常や血糖を下げるホルモン(インスリン)の分泌過剰、抗生剤の長期投与などが原因になります。 |
症状は? | 車のガス欠と同じで、動かない(目は開けるが体を動かさない)のが主な症状です。 重症では、けいれんや意識障害を起こします。 |
検査は? | 血糖値が低くなります。通常血糖値は80〜120mg/dlです。 尿中のケトン体が陽性になることが多いです。 |
治療は? |
飲食が可能であれば、ジュースや砂糖水を飲ませます。 |
予防は? |
幼児では夕食を抜いて寝ると低血糖になることがあるという事を知っておく必要があります。激しく遊んだ時は合間におやつを食べさせてください。 |